2006年4月28日 (金)

大阪市中央区

このブログは、見ての通りdiaryではなくて、回想やつぶやき、そして添えられた写真の解説である。
その目的は、自分の写真がweb上でどのように映るかという興味と、自分の写真に対して客観性を持つためである。
個展向けの作品というのは、普通、数年を費やして歩き、何千回とシャッターを押し、そこから数百枚のプリントを得る。そしてその数百枚から四〜五十枚に絞り込む。
この、各過程で客観性が求められるが、いいかげん疲れてきてしまった。
前回の個展以降、次回作を撮り続けてきたが、まとまらないまま今日に至っている。結局このブログはその残滓のようなものかもしれない。

このホームレス男性に出会った瞬間、感動して、写真を撮らずにはいられなかった。
失礼のないよう、力を尽くして撮った。
その容貌はチベットの高僧のようだ。
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2006年2月 7日 (火)

大阪市北区梅田(2)

その昔、貧乏人の家にはカメラなんてなかった。
そういえば、うちにもなかった。それでもアルバムはあったから、何かの折には写真館に行ったり、近所のカメラを持つ人に頼んでいたのだろう。
ゆえに一コマのフィルム、一枚のプリントが大切にされていた時代だったと思う。
それから時代がだいぶ下っても、ハーフサイズカメラの最初のコマは正月にはじまり、お花見、海水浴、運動会と一年の家族行事を大切に収め、最後のコマに次の年の正月が写っていた。
そんな笑い話みたいなものだった。
いまでもひょっこりそんな時代の写真が出てきては、その当時の記憶がおしよせてくる。

梅田のホームレスの飼い猫。
家人は空き缶集めに出掛けたので、おとなしく留守番だ。もうゴハンはもらったので、眠たくてしかたない。
実はとても暗い場所なので、10秒くらいはじっとしていてもらわなければ困る。
ピントも目測だ。しかたないので、猫たちに呼びかけた。
「じっとしててねー」「ニャー」
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2005年12月 8日 (木)

北区梅田

二十代のころ、朝日放送で大道具のアルバイトをしていたことがある。「部長刑事」というドラマのセットに色を塗る画工の手伝いだった。
バイト帰りは福島から梅田までよく歩いて帰ったが、JR環状線の高架下は、終戦後の荒れた雰囲気が残る場所だった。環状線沿線にはそんなところがたくさん残っていたと思う。そのころは、そんな場所を写真に撮ろうとは思わなかった。

近年、高層ビルやホテルが立ち並び、まったく変わってしまった西梅田地区だけど、阪神高速の高架下で、悠々とテレビを観ながら過ごしているホームレスに出会った。
まるで映画「マックスヘッドルーム」のワンシーンのようだ。
思いきって声をかけると、とても温厚な人物だった。その後何度か撮影させてもらったが、現在は追い出されてどこへいったか知らない。
飼っていた三匹の猫はどうしているだろうか。
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2005年10月31日 (月)

梅田HEPFIVE

これもHOLGA。
毎年一回おこなわれるHOLGA愛好者界最大(?)のイベント、HOLGA EXPO'05に出展した作品だ。去年あたりから出展作のレベルもあがり、もはやお遊び感覚では撮っていられなくなってしまった。
今年は、かねてから懸案の、HOLGAでの「観覧車シリーズ」にチャレンジした。技術的なことは書かないが、まったく思うように撮れないので、通常の何倍も苦労した。

モデルのはるかちゃんは、写真を学ぶ大学生だ。独特の浮遊感と、どきりとさせられるセンスの写真を撮る。モデルとしても、とてもいい。
expo05

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2005年10月21日 (金)

梅田の観覧車3

観覧車で一周だけ撮影後、茶屋町の例の場所に移動する。
スニーカー屋さんも閉まっていて静かだ。とはいえ、実は通行人の多い場所で、車も通る。知らない間に塀の落書きが消されている。

逆ティルトをかけると、トップの水銀灯からゴーストが降りてくる。それをスポットライトにみたててしばなぎに立ってもらう。
やはりここは「舞台」だ。
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梅田の観覧車2

観覧車内。
大阪駅前のビルの上にあるので、そこからの眺めは、ブレードランナーにでてくるスピナーに搭乗してるみたいな気分だ。

モデルはしばなぎさという役者さん。さすが、25秒間動くなといえばそうしてくれるが、観覧車自体が揺れるのだ。しかも、狭い場所なのでアシスタントははいれないし、ライティングをつくることもできないので、コンパクトストロボとアベイラブル・ライトの一発勝負。一周でブローニー1本がやっとだ。
その一本12枚のなかで、使えるのはこの一枚だけだった。
sibanagi1

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2005年10月20日 (木)

梅田の観覧車

人にもモノにも相性というものがある。
以前はライカで撮影していた。レンズはあれこれ使ったが、広角レンズが好きだった。ハッセルを使うようになって長焦点レンズの必要性を感じ、人の勧める120mmを買った。Macroを冠されたプラナーだ。試し撮りすると、確かに高性能のレンズだった。すごいシャープだし、白バックでもハレすら出ない。しかし、撮るものがない。

その日は、501Cに120mmだけつけて家を出た。夜の梅田では、やはりHEPの観覧車がきにかかり、ファインダーを覗く。そしてそのまま何も考えずに手持ちで一秒のシャッターを切った。
翌日、120mmを下取りにして何を買ったかすら覚えていない。残されたのは、まるで炎上したかのような、ぶれた観覧車の写真だった。
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